夏タンデム

ここが初めて私が大空に飛び立つ所・・・
夏のスキージャムの山頂に立つことになるなんて。
青く澄んだ空気と緑のコントラストがやけにまぶしい。


「さあ、あそこに向かってせーのー、で走り出しますよ。」
私とひとつに繋がれたインストラクターの堀さんが指を指す空の彼方。
その指の先に目標になるものなんか何もなかった。
ただあるのはどこまでも青い空。そしてぽっかりと浮かんだ白い雲がひとつ。


「がんばって!」
「楽しんできてね!」
「きもちいいよ〜!」


初体験の私の心臓はバクバク。うまく走れるのかな?
でも・・・早く飛んでみたい!


「せーの!」
後ろから背中を押されるように感じて思わず数歩前に。
とたんに後ろにずず〜っと引きずられそうになる。
その重みがだんだん上に引っ張られるような感覚に変わり、
走り続けようとしても体が前に出て行かない。
と思っていると、急に風を切る音。
足が地面を蹴っていない!


「うわっ、う、浮いてるぅ」


足元ばかり見ていた私は眼下の地面がどんどん遠ざかるのを不思議な気持ちで見つめていた。


「いすにゆっくり座って前を見てみましょう〜」
耳元で堀さんのゆったりとした声。
つられるようにいすに座る私。
突然、目の前に360度の大パノラマが広がった!
遠くにキラキラと光輝く川の流れのきらめき。
そのはるか先には大きく真っ赤に燃える太陽。
高原を見下ろせば牧場で草を食む牛たち。まるでミニチュアのような街にちっぽけな人たちが動いている。


聞こえるのは風の音だけ・・・


「よく来たね。」「自由な世界へようこそ。」「ついにやったね」
大自然のものたちすべてが私にそうささやいているようだった。


空を飛ぶってスピードがあるものだと思っていたけど、実際はそんなことはなくふわふわ浮かんでいるといったほうがぴったりだ。
まるで生まれたばかりの胎児に戻って、ゆりかごに揺られているよう。
雄大な空間にただぽっかりと漂っている。そんな感じ。


堀さんの声が突然耳に入ってきた。
「横を見てみて」
首を回した先には、私と同じ高さで〝とんび〟 が飛んでいた。羽根の先が細かく揺れているところまではっきりと見てとれる。
とんびと目が合った。まるで「気持ちいいかい?」と語りかけてきているよう。
「上昇気流の中だと、彼らと一緒に飛ぶことも良くあることなんですよ」
当たり前のように話す堀さん。


今までの生活ではありえない非日常の空間。開放感。
私はどこか違う世界に入り込んだのかしら・・・
すべての体験が、風と一緒に体に染み渡っていくようで
なぜかじわりと涙がこみ上げてきた。


さああなたもこの先の世界を体験してみませんか?
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